ストレッチには種類があり、ジムに到着してすぐに行う人もいるだろう。しかしそのときに何気なくやっているストレッチが実は危険な行為だということに気付いていないかもしれない。
文:Sarah Chadwell, NASM-CPT 翻訳:ゴンズプロダクション
静的ストレッチ
静的ストレッチとは動作を伴わないストレッチだ。つまり、筋肉を伸ばす姿勢を作ったら、その状態をじっと保つ。保持する時間は最長で45秒間である。静的ストレッチは、ストレッチする部位にもよるが、立位姿勢、座位姿勢、仰臥姿勢で行うことができる。どの姿勢を選択する場合も、対象部位が心地よい範囲で伸ばされた状態を、安定した姿勢で保つ必要がある。また、痛みを伴うほどのストレッチは無用であり、避けるべきである。
ジムに着いてすぐに行うのは危険
静的ストレッチを行うベストなタイミングは、ワークアウトを終えた後のクールダウンのときだ。もし、ウォームアップに行うのであれば、5~10分程度の軽いウォーキングやジョギングなどを終えた後に行うといいだろう。
逆に、静的ストレッチを行わないほうがいいタイミングは、筋肉がまだ温まっていないときだ。筋肉が冷えた状態でいきなり静的ストレッチを行うとケガの危険性が高まるので注意が必要である。
少し前までは、ジムに到着すると、いきなり静的ストレッチを開始する人たちが大勢いた。ストレッチをウォームアップと混同していて、筋肉を温める目的でストレッチを行っていたのである。
しかし、ストレッチは筋肉が温まった状態で行ったほうがいいことが最新の研究で立証されている。冷えた状態の筋肉をストレッチしても十分に伸ばすことはできず、無理をすれば筋線維の断裂を起こしやすくなるので注意しよう。
ストレッチ前のウォームアップは、全身を使った軽い運動がいい。血液が全身を勢いよく回り、体温が上昇し、対象部位だけでなく、その周辺の部位も効率よく温められるからだ。
まとめ
ケガの予防目的で行っているストレッチが身体を温める前に行っており、逆に危険性を高めているかもしれない。動きを伴わない伸ばすような静的ストレッチを行う場合は必ず身体を温めてから行おう。