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レジェンドたちの失敗から学べ!~トレーニング法再点検~鈴木雅 トレーナー編

「効率的なもの」イコール「楽なもの」ではない。マストな結果が出るものに楽なものはないはず

鈴木 今は、体づくりというものがインスタント的に考えられているフシがあります。「楽に変える」とか「短期間で」とか。もちろん方法が合っていれば変わりますが、そこから一歩進んだものを詰めていくことが大事です。玉利会長は、ボディメイクなどのトレーニングを「広義のボディビル」とおっしゃっていました。私たちがやっているのは「狭義のボディビル」です。広義でも狭義でも、トレーニングを継続していくという面は同じです。「楽にできる」「簡単にできる」ということを効率的だと勘違いしている人もいます。また、効率的なものを楽なものだと考えている人もいます。何をもって効率的なのか。それは自分にとってマストな結果が出るものが、もっとも効率的なものなのです。そのなかに、楽なものはないはずです。
ただ、情報がありすぎるせいか、複数の人が同じ種目をやっていることがあります。

― 見た動画が同じだったのでしょうか。

鈴木 そうだと思います。それだけ情報量が多くなってきたということだと思います。

― 「こうじゃないんですか?」と答え合わせのような質問をしてくる人は?

鈴木 いらっしゃいます。ゴーサインを出してほしいのでしょう。例えば「週に1回はチートデーで、これとこれを食べてもいいんです
か?」と。

― 食べる前提での質問ですね。

鈴木 食べる食べないではなく、体重を減らすか減らさないか。そこを考えなければいけません。

― インターネットですぐに答えが探し出せる時代になりました。

鈴木 今、特に多いのが失敗を避けようとする人たちです。トレーニングを始めるにあたって、失敗をしたくないと思う人が増えたと感じます。また、何でも数値化したがる傾向が強いかもしれません。「どのくらいやればいいですか?」とか「カーボを何グラムとればいいですか?」とか。
そのエビデンスや理論はある程度は押さえておいたほうがいいでしょう。ただ、それはあくまでベースです。そのベースをもとにして実践していき、どのくらいの量が必要なのかを把握していかないといけません。
トップビルダーの人に「どのくらい必要ですか」「どのくらいやればいいですか?」と具体化した数値を尋ねると、「自分に合った量でいいと思います」と答える人がほとんどでしょう。「これだけとれば大丈夫」という数字を求めたがる人が多いですが、その答えを知るには実践して、失敗を繰り返していくしかありません。

― 情報にほんろうされてしまっている人が多いのでしょうか。

鈴木 ただ、昔より情報量が多くなってきたので、的外れなことをやっている人は少なくなりました。継続は力なりと言いますが、継続するにしてもチャレンジしていかないと。情報をうまく拾っていける人は、情報がなくても何かしらのことを試すと思うんです。情報の選び方も大事で、自分でいろいろチョイスをしていくようになります。逆に情報がありすぎて迷ってしまう人もいます。情報があっても、それを選ぶのは結局は人な
んです。


鈴木 雅(すずき・まさし)
1980年12月4日生まれ。福島県出身。身長167cm、体重80kg ~83kg。株式会社THINKフィットネス勤務。ゴールドジム事業部、トレーニング研究所所長。2004年にボディビルコンテストに初出場。翌2005年、デビュー2年目にして東京選手権大会で優勝。2010年からJBBF日本選手権で優勝を重ね、2018年に9連覇を達成。2016年にはアーノルドクラシック・アマチュア選手権80㎏級、世界選手権80㎏級と2つの世界大会でも優勝を果たした。DMM オンラインサロン“ 鈴木雅塾”は好評を博している。


執筆者:藤本かずまさ
IRONMAN等を中心にトレーニング系メディア、書籍で執筆・編集活動を展開中。好きな言葉は「血中アミノ酸濃度」「同化作用」。株式会社プッシュアップ代表。

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