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免疫を保つATPっていったい何?|コロナ禍における免疫力アップのヒント

新型コロナウイルスの猛威は収まることを知らず、いまだ感染拡大が続いている。今回は、免疫維持について、桑原弘樹氏に伺う。コロナ禍を乗り切るために、日常でできる基本的なことから始めよう。

文:飯塚さき

桑原 弘樹(Hiroki Kuwabara)
1961 年4月6日生まれ 愛知県出身。立教大学卒業後、江崎グリコに入社。スポーツサプリメント事業を立ち上げ、スポーツフーズ営業部長などを歴任し、現在はアドバイザー。桑原塾を主宰し、100人以上のトップアスリートのコンディショニング指導も行っている。

2019年は、大成功を収めて盛り上がったラグビーワールドカップから、東京オリンピック・パラリンピックに向かって、明るいビジョンで世の中を引っ張る風潮でした。ところが、2020年は一転してしまいます。コロナの流行で、世の中が危機感によって引っ張られる状況になってしまいました。コロナは本当に憎いものですが、危機感で世の中が支配されているときは、明るいビジョンを描きにくい半面、足元のことがよく見えるようになります。例えば、手洗いうがい、マスクといった衛生の基本が、いまでは当たり前に定着しました。これまで多くの人が軽んじていたことを徹底するようになって、ここ2年はインフルエンザの流行がとても抑えられています。 前回は、免疫維持のためのグルタミンや乳酸菌、口腔環境について話しました。今回は、もっと基本的な対策をお話ししていきます。普段は退屈な話ですが、いまだからこそ実行してもらいやすいと思うのです。コロナを逆手にとって、基本を実行するチャンスだという姿勢で読んでみてください。

ATP生産を高め、自然免疫を維持しよう

フォーカスするのは自然免疫です。手洗いうがいをはじめとする「予防」は、ほぼ浸透しました。ワクチンといった「獲得免疫」は、自分の力ではどうしようもありません。しかし、自然免疫は、自分の意識を高めれば獲得することができます。

ポイントは、バランスのいい食事と適度な睡眠。いままで幾度となく言われてきている本当に基本的なことですが、危機感をもってこれらの優先順位を上げてほしいのです。

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それはなぜか。ATP(アデノシン三リン酸)を作りやすくするためです。体内にATPがしっかりあるときは、自然免疫がしっかりと準備されている状態で、ATPが足りないと自然免疫も落ちてきます。身体は、エネルギー通貨ともいわれるATPで動いています。酵素や筋肉、成長ホルモン、免疫細胞などが体内で合成される場合には、必ずATPが必要です。しかし、ATPは体内に貯めておけません。身体は常に作り続ける必要があり、作る能力が落ちると、免疫も落ちてしまいます。

ダイエットや減量は、糖質や脂質、カロリーを控えるなど、栄養のバランスを崩します。すると、身体が適応して、少ないATPで対応しようとするため、ATPが作られにくくなって、頭打ちが来るのです。減量期間中であっても、チートデーを作って栄養のバランスをとることで、ATPの再合成をスムーズな状態にするのが、自然免疫を維持することにもつながります。

食事の面では、栄養素の過不足をなくすこと。過も不足もいけません。特に減量期は、栄養の「不足」が出てくるので、普段以上に免疫維持に努めないと、身体がへたります。そして、食事のバランスをとること。カロリーのつじつまさえ合えばいいのではなく、三大栄養素とビタミン・ミネラル、食物繊維のトータルでバランスをとることが、ATPが作られやすくなるポイントです。

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