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筋トレでヘルニアに悩んでいる方のヒントになれば=嶋田慶太

数多くのドラマが見られた昨年の日本選手権。選手たちはどのような思いで、あの日のあのステージに上がったのか。ここでは男子ボディビル、女子フィジークの各2位から12位までの選手を単独取材。感動の舞台裏に迫る。

取材:藤本かずまさ 撮影:中島康介

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2021年男子日本ボディビル選手権大会6位・嶋田慶太「ヘルニアで悩んでいる方のヒントになれば」

このことは今まであまり公表してこなかったんですが、じつは僕はヘルニア持ちで、同じような症状で悩んでいる方にとって何らかのヒントになればと思い、今回お話しさせていただきます。8月20日あたりから腰に痛みが出るようになって、騙し騙しトレーニングをやっていたんですが、日本クラス別の5日前に自宅でくしゃみをした瞬間に腰に爆撃を落とされたかのような感覚があり、そこから動けなくなったんです。歩くのもつらく、当然トレーニングもできず。そしてアイシングをしてロキソニンを飲んで…、ということを繰り返したら今度は胃が荒れて食事も取れなくなってしまいました。日本クラス別には大会前日に整形外科で痛み止めと炎症止めの注射を打ってもらって何とか出場したという状態でした。
そこから日本選手権に向けての4週間は、しっかりと食べて身体の張りを戻す作業に徹しました。結果的に2週間もトレーニングができていなかったのですが、日本クラス別の4日後からトレーニングを再開しました。背中は上から引く種目が中心、脚はスクワットを40㎏で…と、踏ん張らずにできる種目をレップ数とセット数を多く行うようにしました。日々恐る恐るトレーニングをやるような感じでした。ただ、心のどこかで「絶対に戻せる」という自信のようなものはありました。ヘルニアがまた悪化したら怖いからセーブしようと思っていたら、多分それまでだったと思います。何事もやってみないことには分かりません。しっかりと食べて、種目を慎重に選びながらトレーニングをしていけば大丈夫だろうと。
結果的に大会のコンディションはトータルで見て、よかったと思います。だから、これまでがやりすぎだったのかもしれないです。6位という順位をいただけて、ほっとしました。また、整形外科で椎間板の状態を診てもらった際に、背中の筋肉が強いからここが引っ張られて骨盤がこのように傾いて…など、先生が詳しく説明してくれて、インナーの使い方や腹圧のかけ方などを教えてくれたんです。こういう力の入れ方をすると体幹をしっかり固めることができる、とか。これはすごく勉強になりました。今年の経験は今後に生かせると思います。

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