トレーニング

神経質になりすぎないプロテインのタイミング 後編

前編では「タンパク質とは」「プロテインの摂取のタイミング」「プロテイン・タイミングやアナボリック・ウィンドー」「ワークアウト前のタンパク質摂取は効果的?」「ワークアウト後のタンパク質は必須」についてご紹介しましたので、まだご覧になっていない方は上記リンクから記事を読んでください。

窓が空いている時間

アナボリック・ウィンドーの開口時間についてもう一度解説しておきたい。ワークアウト後30分以内から2時間以内という考え方が広まってはきたものの、実験ではどのような結果が得られているのだろうか。DK・リーベンハーゲン博段階が行った実験では、タンパク質10g+ 炭水化物8g+ 脂質3g を含む溶液が用意され、ワークアウト後の異なるタイミングで被験者たちにこれを摂取してもらった。その結果、最も良好な結果を得たのはワークアウト直後に摂取したグループだった。ワークアウト直後に摂取したグループでは、筋中へのタンパク同化率が3倍にまで増加したのに対し、それ以降に摂取したグループでは12%の増加にとどまっていたのだ。だとすれば、やはりワークアウト直後に摂取したほうがいいと思うかもしれないが、ちょっと待っていただきたい。なぜなら、筋発達の促進に必要なタンパク質摂取は、ワークアウト直後に限定されていないからだ。結局のところ、ワークアウトを終えてから数回にわたりタンパク質を摂取するのが発達を最大限に促すことになるのである。ワークアウト直後にプロテインシェイクを飲んだからといって、誰よりも効率よく筋発達が得られるということにはならないのである。肝心なことは、ワークアウト後にタンパク質を摂取するということだ。ワークアウト直後には摂取できなくても、2時間後に友達とステーキなどの肉料理を食べ、その後も2、3時間おきに高タンパク質食を摂ったというのであればそれで十分に筋発達を促すことができる。ワークアウト直後にプロテインシェイクを飲むことができないと、まるでこの世の終わりのような表情で落ち込むトレーニーがいるが、その後の食事でいくらでも挽回できることを覚えておこう。大切なのはワークアウト直後にこだわることではない。ワークアウトを終えてから断続的にタンパク質食を摂取すれば目的を果たすことはできるのだ。

断続的なタンパク質補給

目先のプロテイン摂取に振り回されずに、もう少し長い時間で考えてみよう。筋発達は瞬間的なものではなく、継続して起こるものだ。ワークアウト前とワークアウト直後にプロテインシェイクを飲めば、それだけで筋発達が得られるというものではない。ホセ・アレタ博士が行った実験では、タンパク質の同化反応が最大限に高められるのは、断続的にタンパク質を補給した場合であるということが明らかになった。博士によると、ワークアウトを終えてから12時間のあいだに20gのホエイプロテインを3時間おきに摂取すると、タンパク質の同化率が著しく上昇するのだそうだ。実際、多くのボディビルダーたちは一日に5、6回の食事をする。一日24時間のうち睡眠時間が7、8時間だとすると、2、3時間おきに食事をしているということになる。そしてこれはワークアウトが休みの日でも同じようなスケジュールで続けられている。ということは、ボディビルダーはすでにアレタ博士が得た実験結果を実践しているということだ。以上のことからもわかるとおり、筋肉の発達を得るには、ワークアウト直後のプロテイン摂取が重要なのではなく、断続的にタンパク質を体に補給し続けることが大切なのだ。

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