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【大会出場者必読】血液検査も実施・競技会ドーピング検査の流れ~スポーツ、トレーニングのフェアプレイを守るために~

4 ドーピング検査の流れ

選出された選手には、休憩時間もしくは表彰式を終えて順位が確定した段階で検査対象であることを告げます。選手は書類に署名をし、名札をつけたら検査室へ足を運びます。基本的に検査室で待機となるのですが、出番がすぐだったり、コンディショニング的に難しい、などの場合は全行動をDCOに監視されることを条件に検査室からの出入りが許可されます。
尿の採取まで、飲食は自由です。持参でもいいですし、検査室にもJADAがスポーツ飲料と水を用意しています。ただし、どれを選び取るかは選手の自己判断。未開封を確認した上で自分自身で開けてもらうようにしています。
国内のドーピング検査にはまず問題は生じませんが、念には念を……がドーピング対策の基本中の基本。海外の大会で配布用ドリンクの栓が開いていたり、競技会で用意されているケータリングはもちろん、持参したものであっても開封後、一瞬でも目を離した飲食物は検査が終わるまでは食べない等、細心の注意を図るべきです。
尿の採取についても同様、すべてが自己責任です。検査容器を自らの手で封をするまでは誰の手にも渡らせないよう、監視しなければなりません。もし検査においての疑問や不満があれば検査員にその旨を伝えて書類で残す方法があります。ただし通告後、最初の尿を採取するという決まりがあるため、検査をスムーズに行うためには検査員の指示に従うことを勧めます。
告示から検査終了までの間には数回書類に署名をする他、大会1週間前から摂取してきたサプリメントや医薬品なども書面に記す作業があります。
もしドーピング違反を犯した場合には、4年間の出場資格停止、初回40万円の罰金が科せられる他、出場資格停止中はJBBF加盟ジムでは練習できなくなりますし、その他のジムでもボディビルダーを相手に指導することが禁止されています。

番外編抜き打ち検査

競技会での検査とは別に、抜き打ち検査(競技会外検査)というものもあります。対象は、国際大会に出場する可能性のある選手です。その中からJBBFが15~20名を選出し、選手にはインターネット上のアンチ・ドーピング管理システム「ADAMS」を通して日常生活のタイムスケジュールを提出してもらいます。必ず「1日のうち確実に1時間は滞在している場所と時間」を設定してもらい後日、事前連絡なしに自宅や職場などを訪れるという方法です。
必ずいると設定された時間と場所を検査員が訪れた際、不在の場合は1時間ほどの猶予が設定されています。しかし、時間を超えても姿を現さない場合は、居場所情報関連義務違反の「検査未了」となります。また、要請があったにもかかわらずスケジュール提出を行わないことも「提出義務違反」となり、これらが12カ月の間に3回累積すると、アンチ・ドーピング規則違反となります。

ドーピング違反は連帯責任

ドーピング撲滅に向けてJOCが発信する考えは、ドーピング違反は該当選手ひとりだけの責任ではないということ。指導者、所属ジムなどまわりでサポートする人たちにも教育不足という点において責任があるということで、JBBFでは今年度から選手登録の申請時にはトレーニング指導者を必ず1名記入して提出してもらうこととなります。
同時にサプリメント使用についてなど、指導者や専門知識のある者に相談しながら決めなければなりません。教育指導の強化を図る必要があります。 例えば海外のサプリメントのパッケージに英語で書かれていた注意書きが理解できなかったとか、安易に海外のお土産としてサプリメントをもらって使ったら禁止物質が入っていた等、不注意で陽性結果が出てしまう可能性があります。アンチ・ドーピングのために自己管理能力の強化が必要です。
現在、JBBFでは日本クラス別の前日、計量の合間にアンチ・ドーピング講習会を開くことにより日本代表になる可能性がある選手たちへ知識の共有を行っています。アンチ・ドーピングを広めていくために、今後の展開として競技説明と講習会を同時開催し、選手に直接訴えたり、各クラブの会長やインストラクターに指導員資格を取得してもらい、会員の方達からの質問に答えていただきたく、さまざまな方法を検討しているところです。


青田正順(あおた・まさのり)
JBBF 常務理事
JBBFドーピングコントロール委員会事務局長
神奈川県ボディビル・フィットネス連盟理事長
「スポーツマインド寒川」代表
(一社)神奈川県総合型スポーツクラブネットワーク会長
競技成績(パワーリフティング):
1988 年 全日本選手権100㎏級優勝
1990 年 全日本選手権100㎏級優勝
1988 年 アジア選手権110㎏級優勝


執筆者:鈴木彩乃
フリーライター&エディター。書籍制作を中心に、ウェルネス系メディアでの執筆、編集活動を展開中。好きな筋肉は、前鋸筋。

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